《身体からの信号の意味》

 

 腰が痛い、首が痛い、背中が痛い、膝が痛い…と痛みという不快な症状。

でも、肩がこった時などに背中を押された痛気持ち良さは、誰でも経験があるのではないでしょうか? 同じ身体の痛みといっても、いろいろな意味があります。その中でも嫌な痛みと、心地良い痛みとでは、身体の声は全く意味を違えます。

 例えば、嫌な痛みに対しては、次の段階の危険を予知していたり、この状態を続けてはいけない、といった意味になるでしょう。しかし、痛いけれど気持ちが良い感覚に関しては、気持ちの良い間は、その痛さを生む事象(指圧や、ストレッチ、マッサージなど)は身体にとって良い行動になります。このような、身体からの信号を丁寧に考察しますと、思いもよらないことが分かり始めます。

 皆さんもご存じの通り、身体には痛みを始めいろいろな感覚がありますね。寒い、熱い、重い、軽い、しびれる、鈍痛、刺すような痛み、殴られたような痛み、軽い痛み、激痛、心地良い、気持ちが良い、眠い、疲れた、だるい、重だるい、けだるい、めまい、吐き気、気分が良い、気分が悪い、くすぐったいなどたくさんの信号があります。

 例えば、痛みは基本的には悪い信号ですね。実はくすぐったい症状も、悪い兆しを表しています。勿論、わきの下や足裏のくすぐったさは除きますが。他者に触られて、あらゆる場所がくすぐったい人は問題があります。必要以上にくすぐったく感じるのは、身体が鋭敏になっている証拠です。このような時、身体のバランスを取るように施術を続けると、身体のバランスが正常に近づくに従い、身体のくすぐったさは消えていきます。この身体が感じる「くすぐったさの感覚」も、シモザワ整体では、とても重要な感覚、即ち身体の状態を知る重要な信号なのです。

 

 

 

《身体の可動性の問題と姿勢の関係》

 

 体が柔らかい人、硬い人。どちらかと言うと体が硬い人に問題が多いように感じますね。実際の所はそうとも言えません。体が柔らかい人は、柔らかい人独自の問題が発生しますし、逆に、体の硬い人は硬い人で問題があります。ただし、問題が発生した時の技術的なアプローチは、まったく異なるケースが多いです。

 例えば、同じ腰痛でも、体が柔らかい人が起こした腰痛の方が、治しにくいです。それは同じ柔らかさでも、その柔らさを維持するための運動に答えがあります。確かに体の柔軟性は、とても重要な健康のファクターの一つでしょう。それだけに、難しい側面もたくさんあります。

 つまり、体が柔らかいからといって、必ずしも健康に繋がる、というわけではないということです。詳しいお話は別の機会を得るとしまして、問題は体の柔らかさの問題より、健康に対しては、身体の各部分の可動性に注目すべきでしょう。

 世の中では、体の柔軟性を生むストレッチやヨガなどに注目が集まっていますが、私のような横着者には、今一つ敷居が高いですね。しかし、体の可動性を高めることは、それほど難しくはありません。畳1~2枚分のスペースがあれば始められます。まずは、やる気の問題です。

 

 例えば、腕を頭の上に上げてみてください。頭の後ろまで行きますか? それとも頭の上でしょうか? 問題は、頭の前までしか上がらなかった方です。この方は、腕の可動性が悪いことは、誰にでも理解が出来ますね。

 でも、もっと重要なことは、背骨の可動性も低下していることです。もうお分かりでしょうが、腕が上がらないことと、背骨の可動性は、密接な関わりがあります。このような関係を、私は連動性と言っています。背骨を真っ直ぐにすることは大変過ぎますが、腕の可動性を高めることは、それほど難しくはないですね。そうです、腕の可動性を高めることで、背骨の歪を修正して行くのです。この手法を連動性整体とでも言いましょうか。無理なく、背骨に活力を与える手法の一つです。

 

 

 

《拮抗筋と言われる筋肉》

 

 身体には拮抗筋といわれる筋肉があります。誰でも知っているところでは、上腕二頭筋と上腕三頭筋の関係ではないでしょうか? 肘関節の曲げ伸ばしに関わる筋肉です。腕を曲げると上腕二頭筋が縮み、上腕三頭筋が伸びるようになっています。両方の筋肉が伸びようとしたり、逆にいっぺんに縮もうとしたら大変です。

 このように「筋は、収縮する時に力を出し、伸びる時には積極的に働くのではなく、拮抗筋の作用により引き伸ばされる」と、いわれています。つまり、反対の方向に作用し合うものを拮抗筋というそうです。

 拮抗筋は屈筋と伸筋、内転筋と外転筋といった反対の作用に適応しています。どうやらこの拮抗筋の働きと密接に関わるはずである背骨との関係に、いろいろな知られざるメカニズムが存在しているようです。身体の動きを拮抗筋の働きを中心に考えますと、この拮抗筋が働く時に、他の筋肉がまったく無関係というわけにはいきません。当然のこととして、拮抗関係とは異なるある法則を持った関わりがあります。私はその関係を連動性と表現しています。この連動性を無視しては、痛みの本当のメカニズムにたどり着けません。

 

 

 

 

 

《力の連動性》

《変異した腕の見分け方》   

《痛みも悪いことだけでは無い、より悪い事を防ぐための防御システムだ。》

                              ~つづく