健康に良い運動と健康に悪い運動の違い

 運動にはどの運動にも、運動効果というものがあります。運動効果の主要な要素は、何と言っても筋力の強化による効果が予測出来ます。しかし、この筋力効果に関しても、良い場合と悪い場合があるのです。そのことを知らないと、ラジオ体操一つ行っても体の状態を悪くすることも考えられるのです。

 体の起こす問題の多くは、体の歪みというものが主な問題と言えます。問題を起こしている体を観察しますと、体のいろいろな部分に正常な状態とは違う形状的な変化を見ることが出来ます。

 もちろん、体の形状的な変化を見慣れていない方には、単なる個人差としか映りませんし、その形状的な問題の意味するところも理解は難しくなります。いずれにしても、体にはいろいろな形で形状的な変化が表れると言えます。それは、骨格の形状的な変化、骨格関節の変化、骨格自体の変化などにも表れてきますし、筋肉、皮膚などにもとてもたくさんの形状的な変化を確認することが出来ます。この形状的な変化を正常な状態に対する異常な状態、即ち、正常ではないデザインとして歪みという理解をしております。

 つまり、歪みとは、体の部分部分により、色々な形状的な変化の可能性が存在しているとも言えます。この歪みの問題は、体全体の動きや機能と密接な関わりを持ち、システム的な問題へと進んでいく歪みの組み合わせもあります。

 

 つまり歪みとは、静的な問題と動的な問題とに分かれて存在しております。その他にも、たくさんの歪みに関するメカニズムの問題がありますが、ここでの説明においては、システム的な歪みに関してだけの表面的な問題だけについて簡単に考えてみましょう。

 例えば、自転車で説明致しますと、チェーンが外れますと、いくらペダルを漕いでも自転車は進みません。例えばタイヤのスポークが何本か曲がったとします。そのタイヤは正確な円形を崩してしまうか、円を保つ力が部分的に欠損してしまう可能性も考えられます。つまり、このタイヤで走りますと、乗り心地が悪くなったり、真っ直ぐ進みにくくなったり、といったような影響が考えられます。

 では、自転車全体のフレームに曲がりなどの歪みが起きたと考えたら、どうなるのでしょうか? 多分、その自転車は真っ直ぐ走ることが苦手になるかもしれません。このように自転車には自転車の正常な状態が保たれて、初めて正常な使い勝手を得ることが出来ます。このことを仮に、デザイン的な機能性と表現しておきます。

 人間の体には、このデザイン的な機能性の種類は、数えきれないほど存在しております。その機能の主体をなしているものは、骨格と筋肉の関係が主役と述べても過言ではないでしょう。この骨格とたくさんの筋肉が作り出す機能的なデザインの数は、測り知れないとも言えますし、その正常な状態における働き方と、異常な状態における働き方では意味がまったく異なってくると言えるのです。

 例えば、先ほどの自転車の例でお話しますと、パンクしたタイヤなどで何年も走り続けますと、タイヤのフレームは完全に変形してしまうことは容易に予測出来ます。体の筋肉などもパンク状態のように、力を失った状態で使い続けますと、問題が発生したとしても何の不思議もありません。体における歪みとは、整備不良の車で走り続けると同じ意味があり、歪み部分が増えれば増えるほど、その問題は深刻さを増していきます。自転車の出せるスピードでも問題は大きいのですが、自動車のように速いスピ-ドを出せますと、より問題の深刻さが予測出来るはずです。人の体は車のように速いスピードでは走りませんが、人間の体のもつ機能の多さや精密さなどは、不整備な自動車の問題とは比較出来ないほどの深刻な問題が隠されていると言えます。

 この体の歪みによっていろいろな問題を引き起こしてしまいます。つまり、極端な整備不良の体で運動をしてしまうということは、ある意味、危険を伴うという場合もありますし、逆に筋肉の力を失い続けてはより、危険な歪みを作り出す可能性も無いとは言えません。

 なぜなら健康な体には、健康を保つための機能を維持するための筋力が必ず必要になるからです。健康な体とは、健康な筋肉と密接な関係があるとも言えます。

 

                   2016年 5月 10日 代筆 祐川