整体のノウハウは発見から始まる~《背骨に伴う(原因不明の病気)問題解析にチャレンジ》

  

 毎日、毎日、人の体を触っていますといろいろな発見があります。もともと分析や解析が大好きです。あえて人様に自慢出来ることと言えば、人一倍細かな観察が出来ることでしょうか。実用新案(特許)を考えることも得意です。優れた発想法を教えることも可能です。そんなもともとの柔らかな思考がある経験を境に、言い表し難いほど変化をしたのでした。自分の思考を止める不自由な常識を捨て、より自由で正確な思考を作り上げました。

 昔、気功術を習いにある道場に通ったのですが、その先生自身、教える技術を持っていませんでした。結局一年ほど道場に通いましたが、体を治すプロとしてのノウハウはありませんでした。

 しかし、その道場で経験した数々の出来事は、私の常識を打ち破るには十分でした。もともと柔軟性のある思考が得意だった私は、まるでSF小説のごとく意識の新たなる展開と組み立てを可能にしました。そしてその当時、師範だった人と共に、その気功道場をやめたのでした。そして半年後、私を中心としたまったく新たな思考を基に、気功道場を始めたのです。

 

 気功術を始めて、初めて知る身体の世界があります。まず、一般的なところでは、虚と実の世界ですね。別な表現をしますと、一般的には、長期間の慢性的な問題を起こしている場所は、熱も低く「虚」といわれる状態です。また、急性の痛みのように今まさに痛みの中心の場所は、熱も上がり「実」といわれる状態です。実に対しては抜く気で取扱い、逆に虚に対しては気を入れる取り扱いが一般的でしょう。また、身体の大きな外側の筋肉や関節などは、適切な筋肉操作で十分対応出来ますが、問題は骨に近く張り付いた部分では、直接的な操作が困難になります。このように直接的なアプローチが不可能であったり、身体の痛みが激しいときなどは、かなり有効な場合が多いです。

 気功術と整体術との世界では、技術的にはまるで違うのですが、基本的な身体の観察法やメカニズムは一緒ですから、より複雑なメカニズムの観察や理解を進める必要があります。

 

 

 

《たくさんの検査法の発見》

 

 私が整体院を始めて、わずか3ヶ月で「手の平」だけでも、数え切れないほどの検査方法を発見しました。普通、病院などと違い、検査機械を持たない私たち手技療法家は、まさに医学のド素人と言えます。ですが、発想次第では最先端の医療機器に迫る観察も、可能になることすらあります。大切なことは「どれだけの違いが理解出来るか」が問題の中心になります。

 身体の化学的問題は、私たち素人が立ち入る世界ではありません。しかし、身体の使い方や環境からの変化については、むしろ整体師の方が詳しい場合もありそうです。ですが、整体師だからと言って皆が皆、身体に精通しているはずもありません。要は、どれだけ真剣に取り組んできたか、どれだけ結果を出せたかが、問われるのでしょう。

 人は身体の状態により、目視でも確認が出来るくらいの違いや変化を知ることが出来ます。それは常に問題意識を持って観察しなければ、見過ごしてしまいます。まさに気のせいですね。それらの違いが、身体の問題別に分類が出来るようになると、さらに細かい違いに気づきます。

 何の世界でも同じだと思いますが、職人の世界には、熟練を重ねた人だけに見えている世界が存在します。当然ですが整体師の世界でも、ピンキリの違いが生まれますが、素人の皆さんにはその違いを知ることは不可能です。もし分かるとすると、かなり低次元の技術の範囲にとどまります。整体師の腕も技術水準も、とても分かりにくいのです。ですが病院の先生でも同じです。昔、聞いた話ですがイギリスでは、お医者さんにも実力レベルの認定制度みたいなものがあり、そのランクにより診療報酬が違うそうです。

 

 

                               ~つづく